犬が、ヘルニアや停留睾丸と言われたら?

噛み合わせに次いで多い犬の欠点は、鼠径・臍ヘルニアと男の子の停留睾丸です。

原則としてどちらも、子犬期(生後6ヵ月頃)までは、筋肉の発達により自然完治の可能性があるため経過観察します。

鼠径・臍ヘルニアとは?

背骨や肋骨に守られている心臓と肺以外の臓器(腸、膀胱、子宮など)が、筋肉や筋膜の隙間に入り込んで癒着したり挟まってしまう病気を、ヘルニアと言います。

特に家庭でペットとして飼われることが多い、ミニチュアダックス・ミニチュアピンシャー・ポメラニアン・チワワ等の小型犬では、鼠径部(太ももの付け根)に癒着する鼠径ヘルニアやお腹の中央部に癒着する臍ヘルニアが多く見受けられます。

原因は、先天的なもの(遺伝)が多いとされていますが、後天的なもの(外傷・虚弱・肥満・事故や出産時の内臓への圧力等)もあります。
※ペキニーズなどの、臍ヘルニアの好発(診断される犬が多い)犬種では、その大半が遺伝とされています。

このため、鼠径・臍ヘルニアは、子犬に罹患例が多いとされていますが、後天的な原因であれは、成犬でも罹患することがあります。

外見的には、その部位に腫瘍状の膨らみがあるため、視診か触診で判ります。

鼠径・臍ヘルニアの治療

子犬期の鼠径・臍ヘルニアは、筋肉の発達によって癒着が剥離し、自然に治ってしまうことも多いため、原則として子犬期(生後6ヵ月齢頃)までは、重症でない限り経過観察します。

重症化すると、食欲不振・体力の低下・嘔吐・下痢・排尿困難・激痛といった症状が見られ、最悪の場合は、腸閉塞による部分壊死や死亡といったリスクもあります。

経過観察する場合は、このような症状が無いかどうかに注意する必要があります。

重症化するかどうかのわかりやすい判断は、ヘルニア(膨らみ)を指で押して、戻るかどうかです。

戻らない場合は、臓器が挟まったままということですから、将来重症化する可能性があります。

子犬期でもヘルニアが重症化した場合と、成熟してもヘルニアが治らない場合は、獣医の判断により外科的手術で治療します。

治療は外科手術ですから、去勢や避妊手術と併せて治療を行い、麻酔のリスクを減らすことも出来ます。

臍ヘルニアと出べそは違う。

臍ヘルニアは、子犬が母犬のお腹にいるときにつながっていた栄養を送る管が、生まれて母犬から離れても閉じない状態です。

出べそは、そもそも脂肪による腫瘍か、管が閉じても膨らみが残る「臍突出症」です。

臍ヘルニアと出べその区別は、指で膨らみを押すとお腹に戻るかどうかです。戻れば、原則としてヘルニアです。

ただし、上記の重症化の症状があるときは、指で押してお腹へ戻らない場合でも、重症化したヘルニアの(腸管が挟まって閉じている)可能性が高いと考えられます。

お早めに、かかりつけ動物病院を受診してください。

停留睾丸とは?

男の子の睾丸は、通常生後1~2ヵ月齢で、体内から鼠径管を伝わって精巣へ降りてきます。

ただ、何らかの原因で睾丸が精巣へ降りず、途中で止まってしまうことがあります。この状態を、停留睾丸と言います。

発生率は、男の子全体の1割弱程度とされています。

原因は特定されていませんが、鼠径管が先天的に小さい・細いなどの理由で睾丸が引っかかってしまう等、遺伝性疾患の可能性が高いと言われています。

停留睾丸の治療

睾丸が精巣に下りてくる時期が、個体差により遅い男の子もいるので、原則として、子犬期(生後6ヵ月頃)までは経過観察します。

成熟後も睾丸が下りない場合は、精巣腫瘍(癌)の発生率が高くなるため、獣医の判断により外科的手術で治療します。

特に子孫を残す計画がある場合、この治療は必須です。精巣腫瘍(癌)が見つかった場合は、もちろん緊急の治療が必要です。

治療は外科手術ですから、去勢手術と併せて治療を行い、麻酔のリスクを減らすことも出来ます。

まとめ

要は、

1)嘔吐・下痢・排尿困難等の重症のヘルニアを除き、生後6ヵ月頃までは経過観察、

2)子犬であれば、自然完治することも多い、

3)重症化した場合と成熟後も完治しない場合は、獣医の判断で外科的手術を行う、

4)仮に手術を行う場合は、去勢・避妊手術と同時に行い麻酔のリスクを減らすことも可能、

ということです。

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