犬の欠点の種類と問題点

犬の欠点とは?

犬の体の一部が、正常では無い状態のことを、欠点といいます。
大半の欠点は、日常生活には支障がありませんので、ペットショップやブリーダーは、通常はキチンと説明して飼主の了承を得たうえで、少し値引きして譲渡します。

ただ、残念ながら販売側が正確に説明しない(注意が必要なのに大丈夫と説明するなど)等の悪質なケースも見受けられます。
また、飼主の方のなかには、病気等の不安を払拭し切れない方もいらっしゃるでしょう。

ここでは、主な犬の欠点について、状態と問題点を簡単に説明します。

日常生活に、全く支障が無い欠点

◆リッヂ

被毛の生え方が不揃いで、立ち気味になってしまう状態のことをいいます。
人でいえば、寝癖に近い状態です。特につむじの部分に、多く見受けられます。
寝癖状態ですから、見た目には支障はありますが、長毛種ですと、部位によってはトリミングの工夫で、ある程度カバー出来ると思います。

◆鼻レバー

本来であれば黒い鼻の犬種であっても、レバー色(チョコタンの犬の鼻の色)の状態のことをいいます。
多く見受けられるケースとしては、クリームの犬の鼻が子犬期からレバー色、といったケースなどです。原因は、色素遺伝です。
見た目は黒色ではありませんが、鼻の機能は全く正常です。

◆ミスカラー

部分的に、本来とは異なる被毛の色が出現している状態のことをいいます。
例えば、ブラックソリッド(単色)の犬の胸部などに、部分的に白毛が生えている状態などです。原因は、毛根の色素遺伝です。
見た目は正常ではありませんが、老齢期に白髪が生えてくるまで、ミスカラーの範囲が拡がることはありません。

◆片パンチ

本来は左右対称であるべき部位(顔など)の被毛の柄が、非対称な状態のことをいいます。
ボストンテリア・フレンチブルドッグ・チワワなどの犬種に、多く見受けられます。
一生涯、柄が変化することはありません。個性ですね。

◆尾曲

多くの関節で繋がっている尻尾の一部の関節が、固まって動かない状態のことをいいます。
被毛に隠れて目立たないケースが大半ですが、特に子犬期や短毛種などでは、曲がっていることがわかるケースも見受けられます。
原因は、遺伝か出産時のトラブルですので、成長に伴って固まる関節が増えることはありません。

◆長毛

スムースチワワ・スムースダックスなど、長毛種も存在する短毛種の犬が、被毛が中途半端に長くなる状態のことをいいます。
原因は、掛け合わせの影響です。体機能には、全く問題はありません。成長に伴って、被毛が短くなることはありません。

◆噛合切端(セッタン)

人間の噛み合わせと同様に、上下がピッタリ合っている状態のことをいいます。
犬の噛み合わせは、本来、僅かなオーバーショット(上顎が前へ出ている状態)です。

切端は、噛み合わせがピッタリ合っていますので、摂食・飲水等の機能は全く問題ありません。見た目も、本来の正常な犬と変わりはありません。

◆狼爪

4本脚の内側にあって、狼からの進化によって不要となった、5本目の爪です。現代の犬にとっては、全く不要な存在です。
ブリーダー犬舎出身の仔であれば、生後間もない(柔らかく、また神経が未発達で痛みを伴わない)時点で切除します。

ただ、信念で狼爪を切除しないブリーダーもおられますし、狼爪を切ることが出来ない野良犬にも見受けることがあります。
狼爪は、そのままでも構いませんが他の爪と同様に伸びますので、怪我予防のために定期的な爪切りが必須です。
また、成熟後であっても、外科的手術による狼爪の切除も可能です。

稀な例外を除き、日常生活に支障が無い欠点

◆アンダーショット

下顎が前へ出ている噛み合わせの状態のことをいいます。いわゆる「受け口」です。
摂食等の日常生活には支障はありませんが、受け口ですから、大なり小なり見た目には影響します。
ごく稀に、犬歯が反対側の歯肉を傷付けてしまうケースがあります。この際は、抜歯等の治療が必要です。

◆オーバーショット

上顎が前へ出ている噛み合わせの状態のことをいいます。人の出っ歯に近い状態です。
摂食等の日常生活には支障はありませんし、下から覗きこまない限り、見た目にも影響はありません。

ただ、オーバーショットのずれ幅が大きい場合、老齢期に顎の筋肉が弱くなると、舌先が常時露出してしまう(いわゆる舌チョロ)ことがあります。
またごく稀に、犬歯が反対側の歯肉を傷付けてしまうケースがあります。この際は、抜歯等の治療が必要です。

犬の噛み合わせがアンダー(オーバー)と言われたら?ページはこちら

状態が重い場合は、充分な注意が必要な欠点

◆泉門開存(ペコ)

極小~超極小サイズの犬が、頭蓋骨の未発育により、おでこから頭頂部にかけて割れた(隙間がある)状態のことをいいます。
チワワ・ティーカップサイズのプードル・カニンヘンダックスなどに、多く見受けられます。

極小サイズの大半の子犬には、ペコがあります。
ペコは、成長とともに徐々に塞がりますが、なかには成熟しても完全には塞がらない犬も存在します。
ペコ自体は病気ではありません。頭を触ればすぐわかりますので、隙間が人差し指1本程度の幅以内であれば、健康上の心配は要りません。

仮にペコが安全な幅以内であっても、頭蓋骨に穴が開いている訳ですから、突進等による衝突に注意を払わなければなりません。
ぶつかりそうな柱やテーブル等の角に、スポンジやシーツ等でクッションを貼り付けておくなどの工夫が必要です。
ペコの幅が大き過ぎる犬は、お迎えしないほうが無難です。水頭症などのリスクを伴うからです。

◆斜視(ロンパリ)

犬の視線が、左右や上下に開いてしまっている状態のことをいいます。ブルドッグ・フレンチブルドッグ・パグ・ペキニーズなどの短鼻種に、多く見受けられます。
僅かな開きで、視線がほぼ前方に向いている場合は、健康上の問題ありません。将来、徐々に視線が開いてしまうということもありません。
また、視力に影響はありません。子犬期の僅かな視線の開きであれば、目の周囲の筋肉の発達により、成熟までに治る可能性もあります。

視線が開き過ぎている(前方を見ることが出来ない)犬は、お迎えしないほうが無難です。
歩き難い、壁などによく衝突する、物を口でうまく掴み難いといった症状が見受けられます。
最悪の場合、水頭症や脳腫瘍などのリスクを伴うからです。

事実上病気なので、特に注意が必要な欠点

◆停留睾丸

男の子の睾丸が、何らかの原因で体内から精巣へ降りず、途中で止まってしまう状態のことをいいます。
※通常は生後1~2ヵ月位で、鼠経管を伝わって徐々に降りてきます。

発生率は、男の子全体の1割弱程度とされています。
原因は特定されていませんが、鼠径管が先天的に小さい・細いなどの理由で睾丸が引っかかってしまう等、遺伝性疾患の可能性が高いといわれています。

個体差により精巣へ降りる時期が遅い男の子もいるので、原則として、子犬期(生後6ヵ月頃まで)は経過観察します。
成熟後も睾丸が下りない場合は、精巣腫瘍(癌)の発生率が高くなるため、獣医の判断により外科的手術で治療します。

特に子孫を残す計画がある場合、この治療は必須です。精巣腫瘍(癌)が見つかった場合は、もちろん緊急の治療が必要です。

◆出べそ・臍ヘルニア

出べそは、単純な脂肪腫や臍突出症であれば問題ありません。しかし、臍ヘルニアの可能性もあります。
臍ヘルニアは、腸・膀胱・子宮などの臓器が、筋肉や筋膜の隙間に入り込んで癒着したり挟まってしまう病気(ヘルニア)のうち、臍部(お腹の中央)に癒着する状態のことをいいます。

臍ヘルニアかどうかの見分け方は、指で押すと膨らみが戻るかどうかです。戻る場合は、高い確率で臍ヘルニアです。
子犬期(生後6ヵ月齢頃まで)は、筋肉の発達による癒着の剥離で、自然に治癒する可能性があるため、原則として経過観察です。

臍ヘルニアが重症化すると、食欲不振・体力の低下・嘔吐・下痢・排尿困難・激痛、最悪の場合は腸閉塞による部分壊死や死亡といったリスクもあります。
子犬期を含めて、重症化した場合は、緊急に外科的手術が必要です。

また、生後6ヵ月頃までに臍ヘルニアが治らない場合は、かかりつけ動物病院で相談してください。去勢・避妊手術と併せて、治療することも出来ます。

◆鼠径(そけい)ヘルニア

ヘルニアのうち、鼠径部(太ももの付け根)に癒着する状態のことをいいます。臍ヘルニアと同様に、鼠径部に腫瘍状の膨らみが出現します。
子犬期(生後6ヵ月齢頃まで)は、筋肉の発達による癒着の剥離で、自然に治癒する可能性があるため、原則として経過観察です。

鼠径ヘルニアが重症化すると、食欲不振・体力の低下・嘔吐・下痢・排尿困難・激痛、最悪の場合は腸閉塞による部分壊死や死亡といったリスクもあります。
子犬期を含めて、重症化した場合は、緊急に外科的手術が必要です。

また、生後6ヵ月頃までに鼠径ヘルニアが治らない場合は、かかりつけの動物病院で相談してください。去勢・避妊手術と併せて、治療することも出来ます。

犬のヘルニア・停留睾丸の治療ページはこちら
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